【iPhone 12 Proカメラ異音】ズームで「ジジジ」と鳴り、ぼやける原因と修理
「普通の写真は撮れるんですが、ズームしようとすると『ジジジ…』と変な音がして、画面がブルブル震えてピントが合わないんです…」
遠くのものを綺麗に撮影できる、望遠カメラ。iPhone 12 Proの大きな魅力の一つであるその機能が使えなくなってしまったと、お客様が南海堺東駅西口から徒歩1分の当店「アイドリーム堺東店」にご来店されました。
この「特定のカメラモードでのみ発生する異音と映像の乱れ」は、iPhoneのカメラ内部に搭載されている、ある超精密な機能の故障が原因です。
この記事では、多くのユーザーを悩ませるこの不思議な症状の正体、「光学式手ぶれ補正(OIS)」の故障について、そのメカニズムから専門的な修理プロセスまでを詳しく解説していきます。
ご来店時のiPhone 12 Proの状態:望遠カメラのOIS機能が暴走
お預かりしたiPhone 12 Proの症状は、非常に典型的かつ診断しやすいものでした。
- 広角カメラ(1倍): 撮影も表示も正常。異音もなし。
- 超広角カメラ(0.5倍): こちらも全く問題なし。
- 望遠カメラ(2倍ズーム以上): カメラが望遠レンズに切り替わった瞬間、「ジジジ…」という微細ながらも明らかな異音が発生。同時に、ファインダーの映像が小刻みに、または波打つように揺れ続け、全くピントが合わない。
これは、望遠カメラに内蔵されている「光学式手ぶれ補正(OIS – Optical Image Stabilization)」という機能が、物理的に破損して暴走していることを示す典型的な症状です。
【専門解説】「ジジジ」異音の正体!光学式手ぶれ補正とは?
なぜ、このような奇妙な現象が起きるのでしょうか。それを理解するために、まず「光学式手ぶれ補正」の仕組みを知る必要があります。
手ぶれ補正は「カメラ内のスタビライザー」
手持ちで写真を撮る時、私たちの手は知らず知らずのうちに微細に震えています。特に、望遠で遠くのものを撮ろうとすると、この小さな揺れが大きく拡大され、写真がブレる原因となります。
「光学式手ぶれ補正(OIS)」は、この手の揺れを打ち消すための高度な技術です。
- iPhone内部のジャイロセンサーが、手の揺れをリアルタイムで検知します。
- その揺れと逆方向に、カメラ内部のレンズやセンサーユニットを物理的に動かすことで、映像を安定させます。
まるで、カメラの中に超小型のハイテクなスタビライザー(揺れを吸収する装置)が搭載されているようなものです。このおかげで、私たちは暗い場所や望遠時でも、クリアでシャープな写真を撮ることができるのです。
故障の原因と「ジジジ」音の正体
この精密なOISユニットは、非常にデリケートな部品です。落下などの強い衝撃や、長年の使用による経年劣化で、ユニットを動かすためのマイクロモーターや磁石、制御機構が破損してしまうことがあります。
ひとたび破損すると、OISユニットは正常な位置に戻れなくなったり、制御を失って暴走したりします。
「ジジジ…」という異音の正体は、この制御不能になったOISユニットが、カメラ内部で異常な高速振動を起こしている音なのです。そして、ユニット自体が激しく震えているのですから、当然ピントが合うはずもなく、映像がブルブルと揺れてぼやけてしまう、というわけです。
今回のケースでは、iPhone 12 Proの広角カメラと望遠カメラのうち、望遠カメラに搭載されているOISユニットのみが破損したため、「ズームした時だけ」症状が現れていたのです。
iPhone 12 Pro カメラ修理レポート【リアカメラユニット交換】
OISユニットは、カメラモジュールに組み込まれた非常に精密な部品のため、ユニット単体での修理は不可能です。したがって、この症状を根本的に解決するには、リアカメラユニット(広角・超広角・望遠カメラが一体となった部品)を丸ごと交換する必要があります。
Step 1. 受付と診断 (10分)
お客様と一緒にカメラの動作を確認し、症状の原因が望遠カメラのOIS故障であることを丁寧にご説明します。修理方法がリアカメラユニット全体の交換になること、料金、作業時間(約1時間)、そしてデータは消えずに修理可能であることをお伝えし、ご納得いただいた上で作業を開始します。
Step 2. 精密な分解とカメラユニットの取り外し (25分)
- 開封作業: 本体下部のネジを外し、専用のヒーターとツールを使い、耐水性能を担うシールを丁寧に剥がしながら画面を開封します。
- コネクタ類の保護: 画面やバッテリーなど、各種コネクタを覆っている保護プレートを慎重に取り外します。
- カメラユニットの取り出し: 基板に接続されているリアカメラユニットのコネクタを外し、ユニット全体を丁寧に取り出します。iPhone 12 Proの3つの高性能カメラが、一つのユニットとしてコンパクトにまとめられているのが分かります。
Step 3. 新品ユニットの装着と組み立て (25分)
- 新品ユニットの装着: 高品質な新しいリアカメラユニットを、元の位置に正確に装着し、コネクタを確実に接続します。
- 組み立てと圧着: 内部をクリーニングした後、新しい耐水シールを貼り直し、フレームと画面をしっかりと圧着させながら、分解と逆の手順で組み立てていきます。
Step 4. 厳密な動作確認
組み立て後、最終チェックを行います。カメラを起動し、広角、超広角での撮影はもちろん、最も重要な望遠(ズーム)機能を念入りにテストします。ズームしても「ジジジ」という異音が完全に消え、遠くの景色にピタッとピントが合うことを確認。ポートレートモードやナイトモードなど、複数のカメラや機能を組み合わせる動作もすべてチェックし、万全の状態で修理完了となります。
静寂と鮮明さを取り戻したProカメラ
修理後、お客様に動作を確認していただくと、ズームスライダーを動かしてもiPhoneは静かなまま、ファインダーの映像は遠くの景色をくっきりと捉えています。
「あの不快な音が全くしなくなりました!もうズームは使えないと諦めていたので、本当に嬉しいです。旅行の計画があったので、これで心置きなく写真が撮れます!」と、大変お喜びいただけました。
iPhoneカメラの異音や不具合、諦める前にアイドリーム堺東店へ
iPhoneのカメラから聞こえる異音、特定のモードでのみ発生するピントのぼやけや揺れ。これらは、内部の精密機械が故障している明確なサインです。放置しても自然に直ることはなく、むしろ他の部分に影響を及ぼす前に、早めに修理することが賢明です。
アイドリーム堺東店は、南海堺東駅から徒歩1分。的確な故障診断と、データを消さない迅速な修理で、お客様のiPhoneを快適な状態に復活させます。カメラの不具合はもちろん、画面割れ、バッテリー交換など、iPhoneに関するあらゆるお悩みに対応しております。
「これって故障かな?」と思ったら、まずはお電話やウェブサイトからお気軽にご相談ください。専門知識豊富なスタッフが、親身になってご対応いたします。